KAPPA NOVELS
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◎四六判ハードカバー◎ 
スナッチ

西澤保彦(にしざわ・やすひこ)
定価:1785円(1700円+税)
ISBN 978-4-334-92636-6

圧巻の奇想エンタテインメント!
西澤保彦、才能爆発。
二十二歳だった。次の日、ぼくは五十三歳になっていた──。
一九七七年一月十五日、奈路充生は高知にいた。
恋人の生駒美和子の実家に行き、彼女の両親に結婚の許しをもらうつもりだった。
奈路と美和子は、ともに二十二歳。間もなく、大学を卒業する予定だ。社会人になると同時に結婚することには、責任も感じていたが、それ以上に希望と幸せの予感に満ちていた。
高知に着いた日に思いがけず行きずりの女性と関係を持ってしまい、さらに美和子の身内の不幸が原因で、彼女との待ち合わせが不調に終わってしまったことは、少しだけ先行きの不安を感じさせた。それでも、些細なつまずきだと思っていた。
この日、高知には銀色の雨が降った。粘度の高い不透明な銀色の液体だった。液体はすぐに消えていったが、直接雨にうたれた人には、ある驚くべき変化が起こっていた。奈路充生もまた雨に降られ、意識を失ってしまう……。
 奈路充生が気がついたのは、三十一年の後。彼は五十三歳になっていた。その間、彼の肉体は、別の人格に支配されていた。
現実は否応なしに襲いかかる。皺じみた掌。生え際の後退した頭髪。老眼。意識を取り戻してからも、思うように動かすことの出来ない自分の身体。そして、どこにもいない、結婚したはずの妻、美和子。 愛しい妻との結婚生活は、経験することもないまま、永遠に奪われてしまったのか?
空白の三十一年。ぼくは。きみは。ぼくたちは。
少しは幸せだったのだろうか。
衝撃を持って迎えられた意欲作『収穫祭』から一年あまり。かつてない奇想エンタテインメントの傑作が、出現した。西澤保彦、才能爆発。

「ジャーロ」2009年冬号(2008年12月15日発売)に著者インタビューが掲載されます!




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